当院では、基本的にどの患者様にも、歯周病についての説明、治療を行う方針です。 “歯なんて痛くなければ、それで良いよ”という方には、向かないかもしれません。 でも、今そう思った方も、もう少しお付き合いしてください。 考えが変わるかもしれませんから。
歯ぐきに起こる化膿性の炎症のことを歯周病といいます。 歯周病は以前は、歯槽膿漏と呼ばれていました。 歯槽膿漏とは歯ぐきから膿が出る、という意味ですが、その他にもいろいろな症状を伴うため、 いまでは歯周病とよぶようになっています。
痛みも無くじわじわと進行し(これがいちばんこわいのです)歯ぐきが腫れたり、口が臭くなったり、 歯を支えている骨がやせて歯がぐらぐらになり、ほおって置くと最後は歯が抜けてしまいます。
一番の原因は歯の汚れ(歯垢・プラーク)です。プラークは食べかすのように見えますが、 実際は歯周病菌や虫歯菌をはじめとする微生物の塊です。これが歯と歯ぐきの間にたまると、 その中にいる細菌が繁殖して歯周病を引き起こすのです。 そして、タバコ、歯並び、歯ぎしりなどが加わると、歯周病の進行は早くなります。 歯周病になっている人は、中高年の人が、圧倒的に多く、軽度の歯周病(歯肉炎といいます) を含めると成人の90%が歯周病といっても過言ではありません。 また、平成11年の厚生省のデータでは、5~14歳の子供の36%、 15~24歳の若者の65%が歯周病になっているという報告もあります。
歯周病は歯肉炎(歯肉が腫れている状態)から歯周炎(歯肉が腫れているだけでなく、歯の周りの骨がなくなっている状態)へと進行していきます。
症状としては大体以下のような順で進行していきます。
1.歯を磨くと血が出る
2.歯ぐきが腫れることがある
3.口臭が出てくる
4.歯が長くなったように見える
5.歯のすき間が広くなり食べ物が入りやすくなる
6.歯が動くようになり、よくかめなくなる
7.歯がぐらぐらになり、抜けてしまう
“歯磨きをしないと歯周病になるのは判るけど、まさか死にはしないでしょ?”
と思われる人もいるかもしれませんが、歯周病が心臓病や動脈硬化、肺炎等の発症や糖尿病のコントロールへの悪影響、 早産、低体重児出産の原因と関係あることがわかってきました。 これは歯周病の原因菌が血液を介して全身に運ばれるためとかんがえられています。
ですから、歯周病は全身の健康にも影響する病気でもあるのです。
さて、ここまで長々と歯周病についてお話したのには、理由があります。 歯周病は、日ごろの生活習慣が大きく影響します。つまり生活習慣病です。 歯科医がいくら治療をしても、日ごろのお口の手入れがされていなければ、改善されません。 患者様自身が、歯周病のことをよく知り、歯科医と協力していくことが重要となるからです。
まず歯ぐきの状態を検査することから始まります。 そして、超音波の器具でプラークや歯石を取ります(つまり原因である歯周病菌を取るということです)。
これに並行して、歯みがきの指導をします(つまり原因であるプラークを取るということです)。
再度歯ぐきの検査をして、超音波の器具だけでは取りきれないプラークや歯石を専用の器具を使って取ります (これも原因である歯周病菌を取るということです)。
歯周病がかなり進行している場合、歯肉を切って開いて、歯石を取り除くこともあります
(もちろん、患者様と相談の上ですので、いきなり切ることはありません)。
ここまで読んで、お気づきだと思いますが、歯周病の治療とは、基本的に、
歯周病菌を含んだプラークや歯石を取り除くことが中心になります。
そして、もうひとつお話しなければならないのが、
歯周病で無くなった歯ぐきの骨は、なかなか元にもどりにくいのです。
したがって、歯周病の治療の目的は、 お口の中を、プラークが増えないように清潔に保てるようにして、 歯周病が今の状態より進まないように、骨がなくならないようにしていくことになります。
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午前 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | × |
午後 | ○ | ○ | 〇 | × | ○ | △ | × |
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△:14:30~18:00
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